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本格ミステリ大賞受賞作品一覧





2008年 第8回 ▼楽天
女王国の城




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女王国の城
『女王国の城』有栖川有栖(著)

著者の名前、有栖川有栖は「ありすがわ ありす」と読む。(主人公の名前でもある。)

舞台は、急成長の途上にある宗教団体“人類協会”の聖地、神倉。
大学に顔を見せない部長を案じて、推理小説研究会の後輩アリスは江神二郎の下宿を訪れる。

室内には神倉へ向かったと思しき痕跡。
様子を見に行こうと考えたアリスにマリアが、そして就職活動中の望月、織田も同調、四人はレンタカーを駆って木曾路をひた走る。

“城”と呼ばれる総本部で江神の安否は確認したものの、思いがけず殺人事件に直面。
外界との接触を阻まれ囚われの身となった一行は決死の脱出と真相究明を試みるが、その間にも事件は続発し…。

江神シリーズ待望の書き下ろし第四長編。

ファンの誰もが待ちわびた、実に15年ぶりの江神二郎(もしくは学生アリス)シリーズ最新刊である。

その間に世の中は平成となり、21世紀となったが、彼らはまだバブル華やかなりし頃にいる。
今回の舞台はそのバブルを背景に作られた、宇宙人をあがめる新興宗教の本拠地である「城」と「城下町」という、特殊な閉ざされた環境下にある山間の街である。

宇宙人だの新興宗教だのが出てくるというとひく人もいるだろうが、あくまでも物語の道具立てとしてであって(おそらく作者はこれらに懐疑的な人と思われるし)、メインはそこで起こった殺人事件と、警察に通報できず「城」に閉じ込められてしまったEMCの面々の推理と冒険(?)である。
奇をてらったわけではなく、実にストレートな本格ミステリだと思う。「読者への挑戦」も健在である。

500ページにも渡る長さだが筆の運びはやはりうまい。一気に読んでしまった。
2007年 第7回 ▼楽天
シャドウ




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シャドウ
『シャドウ』道尾秀介(著)

――ゴミ箱なんて、覗くもんじゃない。

小学五年生の我茂凰介は、母親を癌で亡くす。
幼なじみの水城亜紀の家にも不幸は伝染する。
亜紀の母親が遺書を残して墜死したのだ。

大学病院の精神科病棟に勤務する二人の父親は、互いに相手の狂気を疑い始める。
事件に関するささいな疑惑が二組の父子の精神を蝕み、不幸はさらに連鎖して……。

本格ミステリ界に新風を吹き込んだ若手作家が贈る“家族”をテーマにした驚異的な本格ミステリ。

人間は、死んだらどうなるの?―いなくなるのよ―いなくなって、どうなるの?―いなくなって、それだけなの―。

その会話から三年後、鳳介の母はこの世を去った。
父の洋一郎と二人だけの暮らしが始まって数日後、幼馴染みの亜紀の母親が自殺を遂げる。
夫の職場である医科大学の研究棟の屋上から飛び降りたのだ。

そして亜紀が交通事故に遭い、洋一郎までもが…。

父とのささやかな幸せを願う小学五年生の少年が、苦悩の果てに辿り着いた驚愕の真実とは?

話題作『向日葵の咲かない夏』の俊英が新たに放つ巧緻な傑作。

静かな筆致なのに力強いリーダビリティで、物語世界を次々に繰り出します。
すっかりある 人物に疑いをかけたままラストまで引っ張られました。

「やられた!」とは思うのですが、裏切られたというより物語を楽しませてもらったという満足感です。
2006年 第6回 ▼楽天
容疑者Xの献身




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容疑者Xの献身
『容疑者Xの献身』東野圭吾(著)

直木賞受賞。
ガリレオシリーズ初の長篇。

「それは」湯川は少し間を置いてからいった。
「あなたは真実を何も知らない、ということです」

花岡靖子は、別れてからもしつこくつきまとう元夫をついに殺害してしまう。
アパートの部屋で途方に暮れる彼女に救いの手を差しのべたのは、隣室に住む数学教師、石神哲哉。
彼が警察を欺くため用意した「完璧な防御」とはいったい?

ベテランの筆が冴える、企みにみちた倒叙ミステリ。
名探偵と名犯人、天才二人の息づまる頭脳戦を見逃すな! 

天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。
彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、二人を救うため完全犯罪を企てる。
だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。

数学の証明の手法と事件の解決方法を関連付けるところなど、登場人物と事件が上手くかみ合っていて面白く読めました。
数学や物理学が嫌いな人もいるでしょうが、変に専門的な話は出てこず、あくまでも「謎解き」を彩るために使われているだけなので、ご安心を。

物語の組み立て方が上手いというか、最後に「あっ」と言わせるトリックもミステリとしてなかなかのものだと思います。
2005年 第5回 ▼楽天
生首に聞いてみろ




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生首に聞いてみろ
『生首に聞いてみろ』法月綸太郎 (著)

「このミステリーがすごい!」第1位。

石膏像の首を切ったのが美術マニアのしわざでないとすれば、江知佳さんに対する殺人予告の可能性が高い

現代彫刻家の川島伊作は、自分の一人娘をモデルにした石膏像を死の直前に完成させた──はずだった。
だが、あろうことか、遺作の像の首は侵入者の手によって切断され持ち去られてしまったうえ、当の娘も謎の失踪を遂げてしまい……。

新本格の旗手が、満を持して放った“悲劇のパズル”。
起きなよロスマク、あんたの仲間がやって来たぜ。

読み終わって鳥肌が立った。
物語は地味だ。

事件は淡々とすすみ唐突に終息を迎える。
息づまるサスペンスも残酷な描写もない。
けれど、探偵がパズルを組み立てたとき、僕たちは想像もしなかった絵を見せられる。
それまで思い描いていた世界が名探偵の導きで一変するのだ。

導き出されるのは事件の構造だけではない。
おぞましい犯人の悪意と、それにおどらされた被害者たちの悲劇。
僕たちはトリックだけではなく、物語のホントウの意味を知るのだ。

余分なものを削ぎ落とした探偵小説がこんなにも美しく輝くなんて。
何十年も昔に出された問題と真っ正面からぶつかり合ってくれた探偵法月綸太郎と作家法月綸太郎に心からお礼を言いたい。
2004年 第4回 ▼楽天
葉桜の季節に君を想うということ




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葉桜の季節に君を想うということ
『葉桜の季節に君を想うということ』歌野晶午 (著)

2004年第57回日本推理作家協会賞

日本に桜の木がどれだけある。
どれだけ見て、どれだけ誉め称えた。
なのに花が散ったら完全に無視だ。

〈何でもやってやろう屋〉を自称する俺の名は、成瀬将虎。

弟分の高校生が久高愛子って子にゾッコンなのだが、どうやら彼女の爺さんが霊感商法がらみの事件に巻き込まれて命を落としたらしい。
元私立探偵(見習い)だった俺は、事の真相を究明すべく体当たりの捜査に乗り出すが……。

新本格第一世代の雄が、読者の目から鱗をこそげ落とす!

あらゆるミステリーの賞を総なめにした本作は、必ず二度、三度と読みたくなる究極の徹夜本です。

たぶん、タイトルに引かれて買った人が多いのだと思うが…。
タイトル買いした人のことはともかく、ミステリ史上に残る傑作であることは間違いない。
これほど騙された作品は、しばらくなかった。

トリックといい、テーマといい、こんなんありかよ、と叫びたくなってしまう。
 
ともかく、先入観なしに読んで欲しい一冊だ。
2003年 第3回 ▼楽天
オイディプス症候群(上)




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オイディプス症候群〈上〉
『オイディプス症候群』笠井潔 (著)

密室は探偵にたいして閉じられている。
しかし孤島は被害者や、被害者候補にたいして閉じられている。

エーゲ海に浮かぶミノタウロス島に呼び集められた10人の男女。
招かれざる客として島に上陸した謎の日本人青年・矢吹駆は、本土との連絡を絶たれ巨大な密室と化した孤島の館で、わが物顔に跳梁する稀代の殺人鬼と対決する。

本格ジャンルのあくなき探究者・笠井潔のライフワーク、〈矢吹駆シリーズ〉第5弾!

10年ぶりに発表される矢吹シリーズ最新作。

ギリシアの孤島を舞台にして、本作ではミシェル・フーコーの思想との対決があります。
ミステリーとしても読み応え充分の大作。

笠井ファンでなくとも必読です。
2002年 第2回 ▼楽天
ミステリ・オペラ(上)




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ミステリ・オペラ (上)
『ミステリ・オペラ』山田正紀 (著)

この世には探偵小説でしか語れない真実といふものがあるのも、また事実であるんだぜ。

時は昭和12年、満州国は〈宿命城〉の城内に横たわる無数の戦死者たち。
日本から来た一人の探偵小説家が“無意味な死を受け入れるな”と屍に叫喚するとき、地を埋め尽くしていた死人たちは蘇り、すっくと立ち上がる……。

想像力の魔王・山田正紀が、本格ミステリのガジェットを激動の昭和史のために散華した大作。

平成元年、東京。編集者の萩原祐介はビルの屋上から投身、しばらく空中を浮遊してから墜落死した。
昭和13年、満州。奉納オペラ『魔笛』を撮影すべく“宿命城”へ向かう善知鳥良一ら一団は、行く先々で“探偵小説”もどきの奇怪な殺人事件に遭遇する。

そして50年を隔てた時空を祐介の妻・桐子は亡き夫を求めて行き来する…

執筆3年、本格推理のあらゆるガジェットを投入した壮大な構想の全体ミステリ。


600頁を超す大作ですが、とにかく 面白い。
エディターレビューに書かれていますが、昭和13年の満州と平成元年の東京を舞台として、各々の時代で起こる奇々怪々な殺人事件。
50年の時空を往復するヒロイン…。  

本格推理小説の面白さに加えてSF がかった味もプラスされて、何とも言えぬ雰囲気を漂わせています。
「探偵小説でしか語れぬ真実もあるんだぜ。」という科白が何とも心憎い。

概略を述べると、読む人の楽しみを奪うことにもなりかねませんので、ただ一言『絶対に面白い。是非読んでみて。』としか言えません。

現在と過去との二重奏 とも言える作品ですが、何とも言えぬ 叙情を感じさせる本です。
2001年 第1回 ▼アマゾン
壺中の天国
『壺中の天国』倉知 淳 (著)

江口陽子は電波の卑劣技術を悪用してわたくしに。
良からぬ電波を合てております。

都会の喧騒とは無縁の地方都市で発生した連続通り魔殺人。
犯行のたび、〈全能の存在〉から電波を受信していると嘯く犯人は支離滅裂な怪文書を市中にバラまく。
果たして無差別にみえる被害者たちを結ぶ接点はあるのか? 

天然本格職人・倉知淳が、ミッシングリンク・テーマに挑んだ「家庭諧謔探偵小説」。

静かな地方都市で起きる連続通り魔殺人。
犯行ごとにバラ撤かれる自称「犯人」からの怪文書。
果たして犯人の真の目的は―。

互いに無関係の被害者達を結ぶ、ミッシング・リンクは存在するのか。

おもしろい。
おもしろすぎるぞ。

新書版でもいいくらいの題材が、圧巻の書き込みで1000枚を越す大作になっている。
小説としてのおもしろさはたいしたものだ。
本書のミステリは連続殺人。
被害者に共通するものは何か?
いわゆるミッシング・リンクものだ。

地方都市を舞台にマニアな人たちばかりが登場し、犯行声明も電波系の怪文書。
そのままいけば、立派なオタク小説になりそうなのだが、それが、そうはならないから素晴らしい。

このミステリ以外の部分がかなりおもしろいのだ。




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