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「悪の教典」貴志 祐介

●このミステリーがすごい(2010年)
     ↓
第1位「悪の教典」貴志 祐介 (著)


とびきり有能な教師がサイコパスだったとしたら、その凶行は誰が止められるのか──

ピカレスクの輝きを秘めた戦慄のサイコ・ホラー。

●2010年度「このミステリーがすごい!」第1位

●「週刊文春ミステリーベスト10」第1位

●第1回山田風太郎賞


学校という閉鎖空間に放たれた殺人鬼は高いIQと好青年の貌を持っていた。

ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー。


イケメンで語学堪能。格闘技を含むスポーツもでき頭脳は明晰。こんなハスミンが人を殺しまくる。

なぜ彼はクラスを支配しようとしたのか、全くわからない。

けど下巻後半の暴走状態にハスミンを何故か応援していた。

うまく逃げられますように、みんなが死にますようにって(笑)。

こんな私は大藪春彦のファンだったりする。

この下巻の後半部分はデビュー作の「黒い家」のクライマックスを彷彿とさせる。

主人公への共感を得る人がほとんどいないだろうから、かなり賛否両論が出るだろうなって思った。

個人的には花丸なんだが。
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「写楽 閉じた国の幻」島田 荘司 (著)

●このミステリーがすごい(2010年)
     ↓
第2位「写楽 閉じた国の幻」島田 荘司 (著)


わずか十ヶ月間の活躍、突然の消息不明。

写楽を知る同時代の絵師、板元の不可解な沈黙。

錯綜する諸説、乱立する矛盾。

歴史の点と線をつなぎ浮上する謎の言葉「命須照」、見過ごされてきた「日記」、辿りついた古びた墓石。史実と虚構のモザイクが完成する時、美術史上最大の迷宮事件の「真犯人」が姿を現す。

日本美術史上永遠の謎である「写楽は誰なのか?」について、最も説得力のあるかつ魅力的な回答が描かれている。

「ダ・ヴィンチ・コード」にも似たスケール感あるのミステリーだ。

作者の20年にわたる構想と時空を超えた筆の展開力にぐいぐい引き込まれていく。


684頁の大作であるが、一気に読めた。人生の苦悩を背負っている主人公とそれを助ける美貌の大学教授らによって、現代の謎解きが進む。

それを江戸時代で実証するように、蔦屋重三郎などの浮世絵工房の面々がドラマを展開する。

写楽の正体である人物の仮説は、行きつ戻りつしながら証明されていく。


寛政6年5月という鍵になる年代が、種々の資料で特定されていく過程が特に面白い。

古代の化石の年代が放射性炭素年代測定法でデジタルに測定されるようなスピード感がある。

本書によって写楽の謎は解けるが、物語としては未完であり、

続篇を期待せざるを得ない。

お奨めします。
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「叫びと祈り」梓崎 優 (著)

●このミステリーがすごい(2010年)
     ↓
第3位「叫びと祈り」梓崎 優 (著)


〈旅人〉斉木が世界各国で遭遇した数々の異様な謎。

全選考委員を驚嘆させたミステリーズ!

新人賞受賞作「砂漠を走る船の道」を巻頭に据えた、大型新人の鮮烈なデビュー作!


ミステリマニア書店員が薦めるこの新人のミステリーがすごい!

ミステリーマニア書店員(T&U)が「10年に一度!」と豪語する新人が登場! 同好の士であるふたりが、作品の魅力について語り合う。


T:我々ミステリーマニア書店員が大注目の作品がまもなく発売になるんですよ!

U:そうなんですよ!

T:10年に1度といっても過言ではない新人の登場! だから発売に合わせて私たちでこのすごさを騒いじゃおうというこの企画!さあ語り明かしましょう!

U:じゃあ行きますか!

T:ジャジャーン! 『叫びと祈り』(東京創元社)です!(ぱちぱち) 2008年に「砂漠を走る船の道」という短編で「ミステリーズ!新人賞」を取った梓崎優のデビュー作です!この年の「ミステリーズ!新人賞」は綾辻行人さんが選考を担当された最後の年でしたが、その綾辻さんが大絶賛されていました。

U:授賞式の帰りに電車のなかで読んで、「おお!」と思ったひとも多いはず。僕もそのひとりだし。

T:私もです。だから本になるのを楽しみにしていたんですよ!受賞作に書下ろしを加えて、この2月にいよいよ単行本刊行!

U:物語の大枠としては、世界中を飛び回るジャーナリストの斉木という男が、取材や休暇で訪れた地で不可思議な事件に遭遇し……。

T:そして最後に、繋がる……っていう、連作短編です。どの作品も楽しめるし、それぞれがまったく違うテイストなんですよね。

U:しかも作りがスゴイ凝っていて、1話目の「砂漠を走る船の道」は、タイトルから分かるとおり、砂漠――サハラ砂漠を舞台に、塩を運ぶキャラバンで起きた不可解な死の謎を解き明かす話なんだけど、出てくるキャラクターの描き方にしても、読み手の先入観を逆手にとったりする工夫が凝らしてあって、とっても巧い。

T:クローズドサークルとしての砂漠の使い方とか、世界のどこか知らない場所を舞台にするというナチュラルさが、新しいんですよ。砂漠で何故人を殺すのか、その理由は?っていうところを最後に無理なく見せることが出来てますよね。



砂漠を行くキャラバンを襲った連続殺人、スペインの風車の丘で繰り広げられる推理合戦、ロシアの修道院で勃発した列聖を巡る悲劇…

ひとりの青年が世界各国で遭遇する、数々の異様な謎。

選考委員を驚嘆させた第五回ミステリーズ!

新人賞受賞作「砂漠を走る船の道」を巻頭に据え、美しいラストまで一瀉千里に突き進む驚異の連作推理誕生。

大型新人の鮮烈なデビュー作。
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「隻眼の少女」麻耶 雄嵩

●このミステリーがすごい(2010年)
     ↓
第4位「隻眼の少女」麻耶 雄嵩 (著)

古式ゆかしき装束を身にまとい、美少女探偵・御陵みかげ降臨!因習深き寒村で発生した連続殺人。

名探偵だった母の跡を継ぎ、みかげは事件の捜査に乗り出した―。


異常だ。

この作品に比べたら今までの麻耶の作品や数多あるミステリで探偵が騙ってきた推理など茶番だと思われるほどの圧倒的な完成度。

恐らくミステリ作家なら誰もがこうした作品を一度は目指すだろうが、誰一人為し得なかった作品だろう。

生半可な努力と思考力、発想だけではこの壮大な伽藍は築けまい。

筆者が処女作「翼ある闇」以降ずっと問題にしてきた命題が漸く実を結んだようにも見える。

この極点に達した麻耶雄嵩が、今後創作活動を続けていけるのかということだけが不安だ。

そして一読しただけでは私も気づかず恥ずかしい限りなのだが、この「問題」は単に事件の推理だけに適応されるのではなく動機を含めドラマ部分に密接に影響していることは間違いない。

静馬の感情やエピローグでのみかげの行動だけでなく、そもそも2003年の犯人の動機すら…そうした視点で見ると全く違った様相が見えてくる。

やはり異常な作品である。

とはいえ複雑で読者を突き放した作品ではないので、誰でもお気軽に手に取ってくれればいいと思う。

ドライな探偵と死相漂うワトソンの軽妙な掛け合いや茶目っ気に溢れる文章は読んでいるだけでも頬が緩む。

そして怪作。

傑作。

この作品に出逢えて、本当に良かったと思う。
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「シューマンの指」奥泉 光 (著)

●このミステリーがすごい(2010年)
     ↓
第5位「シューマンの指」奥泉 光 (著)


シューマンの音楽は、甘美で、鮮烈で、豊かで、そして、血なまぐさい――。

シューマンに憑かれた天才美少年ピアニスト、永嶺修人。彼に焦がれる音大受験生の「わたし」。

卒業式の夜、彼らが通う高校で女子生徒が殺害された。

現場に居合わせた修人はその後、ピアニストとして致命的な怪我を指に負い、事件は未解決のまま30余年の年月が流れる。

そんなある日「わたし」の元に、修人が外国でシューマンを弾いていたいう「ありえない」噂が伝わる。

修人の指にいったいなにが起きたのか――。

野間文学賞受賞後初の鮮やかな手さばきで奏でる書き下ろし長編小説。


私は、先日放送されたNHK教育テレビ「N響アワー」の「シューマン生誕200年特集」のゲストに奥泉光がゲスト出演していた際に、話題の小説として紹介されて初めてこの作品を知ったのだが、クラシック・ファンであるとともにミステリ・ファンでもある私としては、買わないわけにはいかないと思い、早速、注文して、読んでみることにした。

この作品は、「指を切断したはずのピアニスト永嶺修人が、なぜ、コンサートでピアノを弾いていたのか?果たして、彼の指は、本当に再生したのか?」というミステリアスな謎が、冒頭でいきなり提示されるという、魅力的な出だしから始まる。 

女子高生殺害事件が起きる中盤以降からは、ミステリ小説らしくなってきて、ミステリ・ファンも面白く読めるようになってくるし、この本の売りであるラスト20ページに待ち受ける真相を読むと、この本が正真正銘のミステリ小説であったと納得できるのだ。


2010年7月の初版発行以来、全国の書店員さんやミステリーファンが大反響。

増刷が充分間に合わないほど話題を呼んだ、芥川賞作家・奥泉光のクラシック音楽・本格ミステリー。

「講談社創業100周年」の記念出版「書き下ろし100冊」ラインナップの一冊。

メインの物語は、里崎優という音大中卒の元ピアノを学んだ‘私’が、’08年7月に約30年前のことを回想して記した手記の形で進んでゆく。

本書の冒頭で旧友からの書簡で、右手中指を失った幻のピアニスト永嶺修人(まさと)が復活した旨を知り驚愕するシーンがあり、以後はこの物語の主役である彼と‘私’の身の回りのことが、シューマンの楽曲の薀蓄とともに続く。


前半は19世紀のドイツの作曲家・音楽評論家でロマン派音楽を代表するひとり、このロベルト・アレクサンダー・シューマンの作品世界の解説書かと思わせるが、語りの半分ほどで、ある女子高生殺人事件がおこり、‘私’がその目撃者となる。

その後は、この迷宮入りした事件の真相の謎が本書の中枢を占める。


終盤の二転三転する展開、そして最後の現代の‘私’の妹による手紙に記された意表をつく真相(らしきもの)。

ここまで読み通した者はまるで夢を見ているかのような恍惚感を味わうこと必至である。

主役の修人の名前がシューマンをもじった、シュー=修、マン=人であること。

そして本書の初版発行日が修人の誕生日の7月23日であることなど、細かいところまで2010年が生誕200年に当たるシューマンづくしの、凝りに凝った、いままで読んだことのない幻想的な異色のミステリーがここに誕生した。


クラシック音楽ファンにも、ミステリー小説ファンにもおススメできる稀代まれの傑作ミステリー小説です。

■下記も参照
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「さよならドビュッシー」中山 七里 (著)

第8回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。選考委員が大絶賛した話題の感動作!

行間から立ち上るドビュッシー「月の光」や、ショパン「エチュード 10-1」の美しい旋律。

ピアニストを目指す少女、殺人、そして驚愕のラスト!

ピアニストを目指す遥、16歳。両親や祖父、帰国子女の従姉妹などに囲まれた幸福な彼女人生は、ある日突然終わりを迎える。

祖父と従姉妹とともに火事に巻き込まれ、ただ一人生き残ったものの、全身火傷の大怪我を負ってしまったのだ。

それでも彼女は逆境に負けずピアニストになることを固く誓い、コンクール優勝を目指して猛レッスンに励む。

ところが周囲で不吉な出来事が次々と起こり、やがて殺人事件まで発生する――。

(最終選考委員コメント)

「音楽青春小説と意外な結末の異種配合」 大森望(翻訳家・評論家)

「著者の奏でる超絶技巧に酔い痴れよ」 香山二三郎(コラムニスト)

「大掛かりなトリックが炸裂する、上質の音楽ミステリー」 茶木則雄(書評家)

「少女ピアニストの感動物語……で終わらない驚き!」 吉野仁(書評家)
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「おやすみラフマニノフ 」中山 七里 (著)

第8回『このミス』大賞受賞作『さよならドビュッシー』の作家・中山七里氏の第2作目です。

秋の演奏会を控え、第一ヴァイオリンの主席奏者である音大生の晶は初音とともに、プロへの切符をつかむために練習に励んでいた。

しかし完全密室の空間で保管されていた、時価総額2億円のチェロ・ストラディバリウスが盗まれてしまう……。


果たして無事に演奏会を迎えることができるのか。

ラフマニノフやチャイコフスキーなどの名曲が、情熱的に、力強く描かれるなか、天才ピアニストにして臨時講師・岬洋介が鮮やかに事件を解決する!
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「マリアビートル」伊坂 幸太郎 (著)

マリアビートル


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「マリアビートル」伊坂 幸太郎 (著)

●このミステリーがすごい(2010年)
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第6位「マリアビートル」伊坂 幸太郎 (著)


元殺し屋の「木村」は、幼い息子に重傷を負わせた相手に復讐するため、東京発盛岡行きの東北新幹線“はやて”に乗り込む。

狡猾な中学生「王子」。

腕利きの二人組「蜜柑」&「檸檬」。

ツキのない殺し屋「七尾」。

彼らもそれぞれの思惑のもとに同じ新幹線に乗り込み―物騒な奴らが再びやって来た。

『グラスホッパー』に続く、殺し屋たちの狂想曲。3年ぶりの書き下ろし長編。


仙台に社用で3日間行ってきた。

列車移動の為、道中東北新幹線を利用する事になり、往復の車中で読書をもと思い、丁度東北新幹線を舞台に繰り広げられる伊坂幸太郎のピカレスクな新作をチョイスした。

確かに、「はやて」は全席指定席、車両間には荷物置き場がある、ダストボックスの壁にも突起があるし、等々、妙にライヴ感ある感覚に囚われながらも、登場人物たちのキャラと話の面白さに、いつしかそんな事を気にする間もなく読み耽った。

電車に乗り合わせた者たちが遭遇するサスペンスって、このジャンルの常套だと思うけど、今作が面白いのは、ドラマが、一般乗客なしで、徹頭徹尾海千山千の個性的な殺し屋たちに、狡猾かつ残忍な少年の間で続けられる処だ。


そして、そのスリリングな展開もさることながら、まず以て魅力的なのは、彼らの会話の絶妙さだ。

蜜柑と檸檬、王子と木村、七尾と真莉亜。

3組の物騒な人間たちが交わす言葉のひとつひとつが、深刻かつ複雑な状況であるにも拘わらず、ある時は軽妙、ある時はシニカルに、まるで掛け合い漫才の如き応酬で楽しめる。

中でも、蜜柑と檸檬の関係は最高にオカシい。

ふたりともやたら好きな小説やアニメの一節の引用をするのだが、なんせ、方や「悪霊」、方や「機関車トーマス」だもん、話は噛み合わないよな(笑)。

「トーマス」の話に関連させて考えを語る檸檬のみならず、人の心理を操り、精神的に優位に立って大人を手玉に取る嫌味な14才、まるで映画「ダークナイト」のジョーカーを彷彿させるような悪意の塊の王子や、己のツキのなさを嘆きながらも、窮地の際の頭脳と身体の切れ味が凄まじくなるてんとう虫・七尾など、強烈としか言いようのないユニークで個性的なキャラの立つ事、立つ事(笑)。


バッド・タイミングが重なり、絶体絶命の場での、彼らのプロフェッショナルとしての死力を賭けた闘い。

終盤に従って、心理戦とアクションの波状攻撃を堪能しつつ、ラストの収め方の鮮やかさに唸らされる。

今作の前篇「グラスホッパー」を読んでなくても十分に楽しめる作品、岡本喜八が生きていたら是非とも彼に映画化して欲しかった。

逸品、面白さ保障します。



読み終えた時「伊坂幸太郎を読んだ〜」という充実感で満たされました。

「グラスホッパー」の続編ですが、もしグラスホッパーの直後に書かれていたのであれば違う雰囲気だったと思います。

最近の伊坂作品を経過したからこそ、この作品にたどり着いたんだ…と感じました。

伏線のはり方に唸り、殺し屋達の攻防にワクワクし、登場人物の魅力に夢中になる…

伊坂幸太郎のエンターテイメント性を存分に味わえる会心作です!
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★「グラスホッパー」伊坂 幸太郎 (著)

「復讐を横取りされた。嘘?」

元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。

どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。

鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。

一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。

それぞれの思惑のもとに―「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。

疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説。

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「水魑(みづち)の如き沈むもの」三津田 信三 (著)

●このミステリーがすごい(2010年)
     ↓
第7位「水魑(みづち)の如き沈むもの」三津田 信三 (著)



刀城言耶シリーズ書き下ろし長編!

近畿地方のとある農村。

村の人々が畏怖し称えてきたのは、源泉である湖の神・水魑様だった。

刀城言耶は祖父江偲とともに水魑様の特殊な儀式を観に行ったのだが、その最中、事件は起こる。

神男と呼ばれる儀式の主役が湖の船上で死体となって見つかったのだ。

犯人は見つからない。衆人環視ともいえる湖上の船、不可解な状況での事件だった。

惨劇はそれだけにとどまらない。

儀式を司る村の宮司たちが、次々に不可解な状況で殺されていく。

二転三転のすえに示された真犯人とは……。



雨乞いの儀式の最中、衆人環視の密室状況の湖で、儀式を執り行っていた〈神男〉が何者かに殺害される。

その後も、儀式を主宰する神社の宮司たちが次々と殺され……。



衆人環視の密室状況下での殺人という不可能犯罪の真相はシンプルかつ明快。

なぜ、 わざわざ儀式の際に殺すのかという問いにも、必然性のある答えが用意されています。

また、事件後にある人物が思わず漏らした「まさか××まで、水魑様の生贄に……」 という台詞にトリプル・ミーニングを仕掛けることで、真相の伏線を張ると同時に、儀式 の異形性を浮き彫りにしているのも秀逸です。


言耶は、事件全体を推理する際、犯人の条件を七つ上げ、それをもとに消去法で犯人を 特定しようとしますが、後から事実誤認が判明したり、データの追加があったりするので、 いつも通り、事件の構図は二転三転とめまぐるしく変っていきます。

その上、編集者の祖父江偲が視点人物となった章で彼女が遭遇する怪異には、結末に至っても合理的解決がなされず、謎が投げ出されたままの状態で物語の幕が閉じます。


本作の登場人物のなかには『厭魅の如き憑くもの』に登場した一族の血縁者と思しき人物 がいるので、もしかすると“神と神との相剋”というホラーの文脈で、本作のカタストロフィは 読み解けるのかもしれません。



民俗ホラーとミステリの面白さを兼ね備えた 「刀城言耶」シリーズの第5作にして、 2009年12月発表の最新作です。

舞台は、終戦から10年位後の、 奈良県波美(はみ)地方。

ここを流れる深通(みつ)川に沿って、 水使(みずし)・水内(みずうち)・ 水庭(すいば)・水分(みくまり)の四神社が点在し、 持ち回りで雨乞いの儀が行われています。
(この儀式で祀り上げられるのが、 題名にもなっている、「水魑(みずち)」様です)


刀城言耶は、その儀式に立ち会う機会を得ますが、 儀式の中心人物、「神男」を務める男性が、 湖に浮かべた屋形船の中で、 刺殺死体となって発見されます。

状況は誰も近づくことのできない、密室状態…。

そしてこの儀式では、 13年前にも同じような不可解な死亡事件が起きていたのでした。


このシリーズ、怪異現象の描写が盛り込まれ、 ホラーの雰囲気を味わいながら、 ミステリも楽しめるという優れもの。

ホラー部分は、不可解な状況のまま終わりますが、 ミステリ部分は、きっちりと合理的解決でまとめてくれます。


本作品でも、密室トリックはきちんと存在し、 雨乞いの儀という特殊状況下を 巧く活かしたトリックを楽しむことができます。

また、後半の刀城言耶の推理は、 真相に辿り着くまでに二転三転し、 一体どんな真相が待ち受けているのか、 ハラハラしながら読み進めることができます。

さらに、作者の文章力が充実してきたのか、 一作ごとにこなれてきて、 小難しい民俗学的用語を多用しながらも、 読みやすくなってきているところが このシリーズのファンとしては嬉しいところです。



日本の古い歴史的なものに興味があり、 ミステリもお好きな方には、 是非とも読んでいただきたいシリーズです。

一作一作は独立しているので、 どの作品から読んでみても良いかと思います。

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 「小暮写眞館」宮部 みゆき (著)

●このミステリーがすごい(2010年)
     ↓
第8位「小暮写眞館」宮部 みゆき (著)


もう会えないなんて言うなよ。あなたは思い出す。

どれだけ小説を求めていたか。

ようこそ、小暮写眞館へ。

3年ぶり現代エンターテインメント。


花菱英一の両親は、結婚20周年を機に念願のマイホームを購入する。

その家は、もと 写眞館だった築33年の怖ろしく古い家だった。

「小暮写眞館」の看板をそのままに していたため、ある日心霊写真が持ち込まれる。

英一は、その謎解きに乗り出すが・・・。

4編を収録。


心霊写真・・・。

英一により、その写真に隠されたさまざまな人たちの思いが明らかになって いく。

人それぞれ、いろいろな生き方がある。

山あり谷あり。

そんな人生が写真の中に凝縮 されていて、読んでいて胸に迫るものがあった。

そのほかにも、小暮写眞館の幽霊騒動の中で 見えてきた英一の弟、ピカの苦しみにはホロリときた。

「何気ないしぐさや言葉の中に、これほどの 苦悩が秘められていたのか!」そう思うと、本当に切なかった。


生と死についても、考えさせられた。


どの登場人物も性格や心情が細やかに描かれていて、作品を幅も深みもある魅力あるものに している。

700ページありとても長い作品だが、その長さには無駄がない。

読後も、春風に吹かれているような心地よさが残った。

心がほのぼのとする作品だった。




さびれつつある商店街の、かつて「小暮写眞館」だった建物を買い、そこで 暮らすことを決めた風変りな両親。

ふたりの行動に戸惑いつつも一緒に引っ越してきた16歳の少年が主人公です。

宮部さんが描く十代は、大人がこうあってほしいな、と思うような少し古風な感じで ちょっとその「まっとうです、僕」っぷりが時々ハナにつくんだけど、今回は、そんな 彼の、イケてない感じが、後半になるとグッと生きてきた感じがする。

写真屋だった建物で暮らしているせいで、一風変わった心霊写真(写ってる霊らしき人も 死んでない!)を持ち込まれ、その写真に隠れた被写体家族の過去や謎を解く 探偵のまねごとをせざるをえなくなる彼。やがて、自分の家族の問題にも


真正面から向き合うことになる…ホームドラマとしてはなかなかのものかと。

そして、彼が意外な相手に恋をする後半部分の疾走感がすばらしい。

前半2章は退屈だと思う人も多いと思うけれど、我慢してなんとか読みきって、後半〜ラストまでたどり着くと「読んで良かった」と思えるのです。


後味が良い純愛の物語で、さすが宮部ワールド。

心が温まりました。
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 「アルバトロスは羽ばたかない」 七河 迦南 (著)

●このミステリーがすごい(2010年)
     ↓
第9位「アルバトロスは羽ばたかない」 七河 迦南 (著)


児童養護施設・七海学園に勤めて三年目の保育士・北沢春菜は、多忙な仕事に追われながらも、学園の日常に起きる不可思議な事件の解明に励んでいる。

そんな慌ただしい日々に、学園の少年少女が通う高校の文化祭の日に起きた、校舎屋上からの転落事件が影を落とす。

警察の見解通り、これは単なる「不慮の事故」なのか?

だが、この件に先立つ春から晩秋にかけて春菜が奔走した、学園の子どもたちに関わる四つの事件に、意外な真相に繋がる重要な手掛かりが隠されていた。

鮎川哲也賞作家が描く、季節を彩る五つの謎。

『七つの海を照らす星』に続く、清新な本格ミステリ。


第18回鮎川哲也賞受賞作「七つの海を照らす星」の続編。

前作は内容や展開も自分的には地味で、どんでん返しにも強引さを感じました。

しかし今作は作品のレベルも格段に上がっていて展開や内容もはるかに面白く一気に読んでしまいました。

後半の読者の意表を突いた大どんでん返しには思わず「やられた」とつぶやいてしまいました。

ぜひ今後も続編を出していって欲しいです。
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 「綺想宮殺人事件」芦辺 拓 (著)

琵琶湖畔にそびえる壮麗な怪建築群―

“綺想宮”を訪れた名探偵・森江春策を待ち受けていたのは、美しき案内人・二十重亜綺楽と七人の奇怪な滞在客だった。

この不可思議な宮殿に森江が到着した晩、自動的に詩をつむぐ機械「大発見」が火精、水精、風精、土精の呪文を歌い上げた。

翌日から、天地創造の七日間を表わす曲が奏でられる中、滞在客は次々謎の死をとげてゆく。

暗室で発見された五芒星の上の焼死体、毒草園に描かれた九芒星と地中に埋められた死体…

それぞれの死体に過剰なまでに凝らされた「見立て」は何を意味するものか?

本格ミステリを愛し、その神髄を知り抜いた著者が「探偵小説の最期」に捧ぐ訣別の書。


最後の探偵小説、あるいは探偵小説の最期。

曲者・芦辺拓がありきたりな館モノを書くはずありません。

ミステリーを転覆させんとする企てがたっぷり込められています。

なんて言ったて、探偵小説の最期らしいですから。

その試みが上手くいったかどうかの判断は 人によって大きく左右しそうです。

事件の解決はバカミスに片足を突っ込んでいる気がしますし、 その後に語られる探偵小説論も人によって賛否が分かれそうです。


満を持して語られますが、個人的には 他の小説や漫画などでも使い古された論ですし、 なにを今更と言う気がしないでもありません。


ですが、そういったことを語らずにはいられなかった作者の 悲壮感にも似た想いがヒシヒシと伝わってきます。

たぶん、ミステリーを読みこんだ人であればあるほど 色々と考えさせられるものがある作品です。


読んでからの一言 セルフ突っ込みの連続!


地球は空洞であり、我々はその内側にへばりついているという説−−−

地球は曲面ではなく平面であることを「実証」した世界ゼテティック協会−−−

もちろんそんなプロローグは本当に文字通りただの序曲に過ぎず、 万乗氏の居館であった「綺想宮」にたどりついたのちには「イヤ」というほどの膨大な無駄な知識が押し寄せてきます。

最後に痛恨の一撃が加わり途中感じた不安は(いい意味で)裏切られることになりました。

傑作には違いありません。

明かされた真相(Why?への回答)は類を見ない壮絶なものですし、上の主張も含め今年のミステリの話題になることは違いありません。

それらを踏まえても「今年刊行されたなかで読みたい一冊」のうちのひとつです。

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